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KOSEI COLUMNコウセイコラム

偽痛風について

 

痛風と偽痛風(ぎつうふう)は名前がよく似ており、いずれも関節が腫れて痛む点は共通していますが、原因と治療法が異なる病気です。

 

痛風は、尿酸の結晶が関節に沈着して発症するのに対し、偽痛風は、ピロリン酸カルシウムの結晶が沈着して発症します。

 

痛風は、中年の男性に多く、肥満、プリン体を多く含む食べ物や飲み物の過剰摂取など、生活習慣病との関連を認めますが、偽痛風は高齢の女性に多く発症し、その多くは原因が不明です。

 

痛風が足の親指の付け根に多く起きるのに対し、偽痛風は、肩、手首、膝、足首など比較的大きな関節に起きることが特徴です。

 

偽痛風は、急性に発症する関節の強い痛み、腫れ、発赤などの局所の症状に加え、38.0℃以上の発熱を伴うことがあります。

 

 

レントゲン検査で関節軟骨の石灰化像、血液検査で炎症反応の上昇、関節液が貯まっている場合は関節液を抜いて、顕微鏡でピロリン酸カルシウムの結晶を確認すれば、診断は確定します。

 

 

治療法ですが、痛風は、発作が起きた際は鎮痛剤を内服し、痛みが落ち着いてから尿酸値を下げる薬を内服します。偽痛風は、痛みに対しては鎮痛剤の内服をし、関節が腫れて関節液が貯まった場合は、関節液を抜いてステロイド剤を注入します。  

 

 

このような症状でお困りの方は、お近くの整形外科で御相談されることをお勧めします。

 

 

整形外科 医師