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KOSEI COLUMNコウセイコラム

放射線科医の視点

 

診察で撮影したCT・MRIは当院では基本的に撮影をした診療科と放射線科の医師で二重の読影(※)を行います。

※医師がX線やMRIなどの画像検査結果を読み解き、病気やケガの診断を行うこと


例えば、腰痛がある場合には腰椎MRI検査を行い、まずは椎体の圧迫骨折や椎間板ヘルニアが無いかをチェックします。

腰痛の原因は様々な診療科領域にわたるため、放射線科医では、
椎体椎間板の炎症・大腰筋に貯まった膿・椎体腫瘍などの整形外科領域、
腎腫瘍・尿管結石による尿管拡張・腹部大動脈瘤や解離、膵炎・膵腫瘍、リンパ節腫大などの泌尿器科領域、
内科領域の病気など、多角的な視点で確認をします。

 

この検査では胸の下の方から肝胆膵脾腎の各臓器、腹部大動脈、骨盤の子宮、卵巣 前立腺などまで写っているので、
そこも確認しながら様々な腰痛原因を探していきます。

依頼科医師は主に自分の診療科領域の視点で読影しますが、

放射線科医は全診療科的な視点から腰痛の可能性部位やそれ以外の部位も読影し、
肺腫瘍、肝腫瘍、胆石、子宮筋腫、腹水などがあれば、レポートで報告しています。

 

また、依頼医師のカルテを見ることで、自分と異なった視点を知ることができ、自らの学びとしています。
同じ画像を見ても各科から見る視点はそれぞれ異なるので、
検査所見の見落としを防ぐために依頼科と放射線科で二重読影をする必要があるのです。

 

放射線科部長 三毛 壯夫