麦踏み
農家の皆さんには釈迦に説法で申し訳ございませんが、「麦踏み」という言葉があります。
麦の株立ちを促したり、根張りをよくするため、芽や根を踏むことであり、
早春の冷たい風が吹く中、麦を足で踏みつけていく姿は、のどかでありながらも根気のいる農作業と表現されています。
私は現在泌尿器科医として病院勤務をしておりますが、同時に若い研修医の教育係という仕事にも携わっております。
麦=研修医と表現するならば、将来立派な麦穂を実らせることが目的ではあるのですが、
現代社会の中で麦踏みといった行為がどこまで理解してもらえるのか、
この方法が時代に合っているのか日々葛藤しているところではあります。
麦踏みは早い時期に行わないと意味のないとされ、やる側にとっても根気のいる作業でもあります。
最近のニュースである農作物の育て方の特集を見たのですが、
その農作物はビニールハウスでしっかりと温度、湿度の管理を行い、完全に害虫を駆除し、
栄養をしっかり与えて育てあげはじめて立派な作物が収穫できるそうです。
放ったらかしの路地栽培ではとても収穫不可能であると述べていました。
今の若者にどのような教育を施していくのか今後も悩みは続きそうです。
第2診療部長 兼 泌尿器科部長 兼 臨床研修科部長
畦元 将隆